⽇本⽔産学会誌・Fisheries Scienceの即時オープンアクセス対応について
2025年5月吉日
公益社団法人日本水産学会
編集担当理事 岡⽥ 茂
編集委員⻑ 松⽯ 隆
2024年2⽉16⽇に統合イノベーション戦略推進会議において決定された「学術論⽂等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本⽅針」(以下「基本⽅針」)を受け,「⽇本⽔産学会誌」および「Fisheries Science」の対応⽅法をお知らせします。
基本⽅針について
公的資⾦のうち,2025年度から新たに公募が⾏われる「即時オープンアクセスの対象となる競争的研究費」(科研費など)を受給する者に対し,該当する競争的研究費による研究の学術論⽂および根拠データを,学術雑誌に掲載後,直ちに機関リポジトリ等の情報基盤に掲載し,閲覧できるようにすることが義務化されます。その際に使⽤する機関リポジトリ等は,CiNii Research等のNII Research Data Cloudと総称されるデータ管理・公開・検索基盤から検索可能であることが要件となります。
⼀⽅,オープンアクセス誌に掲載された論⽂およびAPCを払ってオープンアクセス化した論⽂(ゴールドOA)以外のもの(講読制の雑誌に掲載された論⽂)は,通常は読者が購読料を⽀払って掲載論⽂の閲覧権限を得る購読制となっており,機関リポジトリ等で著者版原稿の全⽂公開が出版社または発⾏者によって許可されるまでの期間(エンバーゴ期間)が定められています。このため,掲載後すぐに論⽂内容やデータを他の情報基盤に掲載することはできず,基本⽅針に対応できないことが危惧されます。
しかしながら⽇本⽔産学会誌およびFisheries Scienceは,以下の3点から基本⽅針に対応しておりますので,義務化の対象となる研究発表も受け⼊れ可能であることをお伝えします。
1.⽇本⽔産学会誌掲載論⽂
⽇本⽔産学会誌の掲載論⽂はJ-STAGEにて即時公開されます。J-STAGEは「機関リポジトリ等」に相当しますので,論⽂掲載を以て基本⽅針へ対応が完了します。
2.Fisheries Scienceオープンアクセス論⽂
Fisheries Scienceは,SpringerLink上でハイブリッド制を採⽤しており,論⽂掲載料(APC,現状$3890,約 58万円)を⽀払った論⽂がオープンアクセス論⽂となります。オープンアクセス論⽂は,機関リポジトリ等にDOIを公開することによって,基本⽅針への対応が完了します。
3.Fisheries Science購読制論⽂
APCを⽀払わない論⽂(購読制論⽂)については,出版社であるSpringer Natureとの出版契約上,1年間のエンバーゴ期間が設けられているため,「出版社や雑誌のポリシーでエンバーゴの規定が存在」する旨を資⾦配分機関への実績報告に記載し,エンバーゴ期間が過ぎた後すみやかに機関リポジトリ等で公開することで基本⽅針への対応が完了します。
データの公開について
なお,基本⽅針では論⽂のみならず論⽂の根拠となるデータの機関リポジトリ等の情報基盤への掲載も義務化しています。データについては,著者⾃⾝で機関リポジトリ等に公表していただくとともに,論⽂中ではData Availabilityについて記載してください。
投稿者へのお願い
以上のとおり,⽇本⽔産学会誌およびFisheries Scienceは,基本⽅針の即時オープンアクセス化に対応しており,科研費等の成果公開の場とすることができます。皆様の積極的なご投稿を,⼼よりお願い申し上げます。