令和4年度水産環境保全委員会シンポジウム「相次ぐ海の異変,ベントス・付着生物から探る解明の糸口」
水産環境保全委員会委員長の後藤友明先生が3月17日に調査中の事故で急逝されたため,シンポジウムは延期となりました。
延期日時については,後日あらためてお知らせします。
日時:令和4年(2022年)3月26日(土)10:00~15:30
企画責任者:田中丈裕(NPO里海研)・大越和加(東北大学)・児玉真史(水産機構技術研)
場所・方法:Zoomによるオンライン形式
1.開会・・・水産環境保全委員会委員長
2.趣旨説明・・・田中丈裕(NPO里海研)
3.話題提供(10:30~14:30)
1)底質における富栄養化の遺産と表層の貧栄養化のコンフリクト
・・・山本民次(広島大学名誉教授)
2)ヘドロの海の狭間で暮らすベントス-貧酸素,底質環境と群集変動
・・・金谷 弦(国環研)
3)雌の小型化が資源の再生産に与える影響:クルマエビ資源を例に
・・・佐藤 琢(水産機構技術研)
・・・・・昼休憩・・・・・(12:00~13:00)
4)フジツボやイガイ類等の付着生物から考える海の変化
・・・野方靖行(電中研)
5)タイ沿岸域の環境と底生生物群集の調査結果から想定される将来の日本で起こりえる変化
・・・堤 裕昭(熊本県立大)
6)ベントス研究のスケール感
・・・高田宣武(水産機構技術研)
・・・・・休憩・・・・・
4.総合討論・・・進行:企画責任者(14:30~15:25)
5.閉会・・・水産環境保全委員会副委員長
<開催趣旨>
我が国沿岸,津々浦々の浜で未曾有の異変が相次いでいる。いわゆる貧栄養化問題に代表される瀬戸内海では漁師達は海底に餌になる生き物がいないと口を揃える。また,かつて岩礁やアンカーロープなどに大量に付着していたムラサキイガイ,ホヤ類等の付着動物が激減し,どこを潜水してもカラフルな動物群は消えてモノクロの世界に変貌している。これらの現象は海水温の上昇と貧栄養化だけが原因なのだろうか? 貧栄養化が進行しているにもかかわらず富栄養化の現象が散見されるのは何故なのか?また,これらの変化は水産資源の動向にどう関わっているのか?我々はこうした疑問に対し明確な答えを持っていない。特に,ベントスなどの餌生物は生態系において重要な地位を占めるがその生態を考慮した長い時間軸での研究を行うことが容易でないこともあって情報がきわめて少なく,近年の異変のメカニズム解明を進める上での隘路の一つとなっている。
本シンポジウムでは,「海の異変」を引き起こしている要因として,ベントス・付着生物に焦点を当て,カギとなるいくつかの知見を共有して必要な研究について議論するとともに今後の対策に向けての検討に備えることを目的とする。
問い合わせ先:
〒046-8555 北海道余市郡余市町浜中町238番地
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
水産研究本部 中央水産試験場 資源管理部 海洋環境グループ
日本水産学会水産環境保全委員会 幹事 栗林 貴範
Tel: 0135-23-4020 Fax: 0135-23-8721
Email: kuribayashi-takanori(at)hro.or.jp
(at)を@に変えて送信してください