令和5年度秋季大会ミニシンポジウム「東北地方太平洋岸におけるヤリイカ研究:近年の研究成果と安定的利用に向けた課題」

日時:令和5年9月19日(火)13:00~16:50

場所:東北大学農学部(令和5年度秋季大会会場内)

企画責任者:時岡 駿(水産機構資源研)・増田義男(宮城水技セ)・木所英昭(水産機構資源研)

参加費:無料

申込:不要

プログラム:

13:00-13:10開会の挨拶・企画の趣旨説明
時岡 駿(水産機構資源研)
13:10-13:351. 太平洋北部5県でのヤリイカ情報共有の取り組み
小熊進之介(茨城水試)
13:35-14:002. 宮城県におけるヤリイカの漁獲と生物特性
増田義男(宮城水技セ)
14:00-14:253. 震災以降のヤリイカの漁業と海洋環境の変化
木所英昭(水産機構資源研)
14:25-14:35休憩
14:35-15:004. SNPsデータで検討したヤリイカの遺伝的集団構造
山本佑樹(水研機構資源研)
15:00-15:255. 孵化日の違いがもたらすヤリイカ繁殖戦術二型
細野将汰(東大大気海洋研)
15:25-15:506. ヤリイカの南北移動と繁殖期の分布特性
時岡 駿(水産機構資源研)
15:50-16:00休憩
16:00-16:45総合討論
16:45-16:50閉会の挨拶
増田義男(宮城水技セ)

企画の趣旨:

東日本大震災以降、東北地方太平洋岸においてヤリイカの漁獲量は増加し、底引き網漁業を中心に重要性が増している。しかし、本海域におけるヤリイカの主漁期・漁場は年によって変動が大きく、ヤリイカ漁業を不安定なものにしている。そのため、漁業者からもその要因解明および安定的な利用方策の検討が求められている。本海域における漁期・漁場変動に係る生物学的な背景として、ヤリイカは多くのいか類と同様に単年性であること、産卵期間が長く複雑な繁殖特性を有すること、および海洋環境や孵化時期の変化によって漁場が変化すること等が想定される。これまで、ヤリイカの生物学的知見は対馬暖流域に偏って収集・整理されてきた。しかし、前述のような背景により、近年では東北地方太平洋岸においても資源構造や分布回遊、および繁殖生態に関する生態的知見が集積されつつある。本シンポジウムでは、近年集積されてきた東北地方太平洋岸におけるヤリイカの生物・生態的知見を整理すると共に、その知見を元に本海域におけるヤリイカ漁業を不安定にする要因について議論し、本海域においてヤリイカを適切かつ安定的に利用する方策を検討することを目的とする。