令和2年度春季大会シンポジウム「多元素同位体を用いた魚類の移動履歴推定-最新の技術と応用」
更新情報:
2020年3月16日 開催中止を掲載
新型コロナウイルスの感染拡大をうけ,令和2年度春季大会を中止したことにともない,下記シンポジウムの春季大会中の開催を中止いたしました。
日時:令和2年(2020年)3月30日(月) 9:30–17:35
場所:東京海洋大学品川キャンパス
企画責任者:
栗田 豊(水産機構東北水研)・富永 修(福井県大海洋生資)・白井厚太朗(東大大海研)・陀安一郎(地球研)
プログラム:
9:30-9:35 | 開会の挨拶 栗田 豊(水産機構東北水研) |
Ⅰ. 多元素同位体分析の最新技術概要 | |
座長:栗田 豊(水産機構東北水研) | |
9:35-10:00 | 1. 多元素同位体解析の最新技術と水産研究への応用 栗田 豊(水産機構東北水研) |
10:00-10:30 | 2. 同位体地図(Isoscape)を用いた生態学的研究 陀安一郎(地球研) |
休憩(10分) | |
10:40-11:10 | 3. 耳石の元素・同位体組成を用いた魚類の回遊生態研究 横内一樹(水産機構中央水研) |
11:10-11:40 | 4. 硬骨魚類の脊椎骨椎体を用いた履歴推定手法の基礎と応用 加藤義和(名古屋大)・冨樫博幸(水産機構東北水研) |
休憩(10分) | |
Ⅱ. 多元素同位体分析の応用例 | |
座長:白井厚太朗(東大大海研) | |
11:50-12:15 | 5. 耳石回遊指標の最前線:酸素・炭素・窒素同位体比による塩分・代謝・食性解析 白井厚太朗(東大大海研) |
12:15-12:40 | 6. 耳石のδ18O分析と回遊モデルを用いた成層の強い海域におけるマイワシの回遊経路推定 坂本達也(水産機構西海水研) |
(昼食60分) | |
13:40-14:05 | 7.炭素14濃度分析を用いた海洋生物の回遊履歴の研究 宮入陽介(東大大海研) |
14:05-14:30 | 8. アイソスケープを用いたサケおよびカツオの回遊履歴推定 松林 順(JAMSTEC) |
座長:陀安一郎(地球研) | |
14:30-14:55 | 9. Nd同位体比による海棲生物の生息場所推定のための基礎研究 斎藤 有(早稲田大) |
休憩(10分) | |
15:05-15:30 | 10. 脊椎骨のNd同位体比を用いたブリの回遊履歴推定 太田民久(富山大) |
15:30-15:55 | 11. 微量元素を利用したマダラの移動履歴推定 工藤誠也(弘前大農生)・大宮慧子(弘前大農生)・三浦太智(青森 水総研)・渡邉 泉(東京農工大)・東 信行(弘前大農生) |
15:55-16:20 | 12. 安定同位体トレーサーで環境と沿岸生物をつなぐ 富永 修(福井県大海洋生資) |
休憩(20分) | |
Ⅲ. 総合討論 | |
座長:栗田 豊・富永 修・白井厚太朗・陀安一郎 | |
16:40-17:30 | 総合討論 |
17:30-17:35 | 閉会の挨拶 陀安一郎(地球研) |
企画の趣旨:
魚類は生活史の中で多くの生息場所を利用し,多様な環境を経験するが,それらの履歴は同じ魚種系群でも個体によって様々である。生息場所や経験環境,およびその多様性が個体群維持に及ぼす影響を理解することは,資源変動機構の理解に不可欠な課題である。また,管理すべき個体群の分布範囲を特定するために,稚魚期の生息海域や,成魚の回遊経路と回遊範囲の情報が必要である。これらを解明する手段として,耳石や筋肉の元素組成や安定同位体比が用いられているが,分析技術は日進月歩で進歩している。また,移動経路を推定する際に必要な環境中の元素同位体比の分布についても,情報が蓄積しつつある。本シンポジウムでは,多元素同位体を用いた魚類の移動履歴推定に必要な情報や技術の,近年の進歩および応用例を紹介するとともに,新たな応用の可能性を議論する。